圧力検査
弁箱耐圧検査
1.水圧検査
1)検査方法
バルブを開いた状態で弁箱内に水を満たし、空気が残らないようにした後、最高許容圧力の
1.5倍の試験圧力を 表1.1又は表1.2に示す圧力以上持続する。
2)判定基準
弁箱、ふたの表面、その他から漏れ、にじみなどあってはならない。耐圧部に局部的な 膨
らみ、伸びなどの異常。グランドパッキン部からの漏れがあったときは、受渡当事者間の協
議による。グランドパッキン部の増し締めが不可能なバルブ(Oリングなどを使用)は、漏れが
あってはならない。
2.気密試験(JIS B 2003)
1)試験方法
呼び径50A以下のバルブの耐圧検査は、水圧に代わり空気圧を用いてよく、試験は水圧 試
験に準じて行う。試験圧力は、0.6MPaとする。ただし、空気圧による場合は、バルブの 形
式呼び圧力及び呼び径別に水圧による代表試験が実施されているものであること。
2)判定基準
規定の試験圧力を加えた状態で水中に投入しての試験、又は、バルの表面に石鹼水などの
発泡剤を塗布しての試験において、空気泡の発生、にじみがあってはならない。
弁座漏れ検査
1. 試験方法
試験方法には、水圧と空気圧による方法がある。水圧試験では、最高許容圧力の1.1倍の試験
圧力を加える。空気圧試験の場合、試験圧力は、0.6MPaで、加圧側と反対側に水を満たし、空
気漏れにより封止性を検査する。
仕切弁の場合、試験は、弁座の両側について行う。また、注文者との協議により、弁箱及び
ふた内部に圧力を内封して行ってもよい。
2.判定基準
JIS B 2003(バルブの検査通則) | ||||
試験流体 | 区 分 | |||
レートA | レートB | レートC | レートD | |
水 |
漏れのないこと |
0.01mm3/s×バルブ の呼び径 |
0.03mm3/s×バルブ の呼び径 |
0.1mm3/s×バルブ の呼び径 |
空気 |
漏れのないこと |
0.3mm3/s×バルブ の呼び径 |
3mm3/s×バルブ の呼び径 |
30mm3/s×バルブ の呼び径 |
注記1. バルブの呼び径は、A呼びを使用する。 注記2. 漏れの許容量は、大気に放出する場合とする。 |
JPI-7S-39 (バルブの検査基準) | ||||||||||||
試験の種類 | バルブの種類 | 仕切弁 | 玉形弁 | 逆止弁 | ボール弁 | バタフライ弁 | ||||||
弁座の種類 | 金属 | ソフト | 金属 | ソフト | 金属 | ソフト | ソフト(7) | 金属 | ソフト | |||
弁座 (1)
|
高圧弁座 漏れ試験 (4) |
試験流体 (6) |
水又は空気 (8) |
水又は空気 (8) |
水又は空気 (8) |
水又は空気 (8) |
水又は空気 (8) |
|||||
水圧による 許容漏れ量 (mm3/s) (2) |
0.01 × D (3) |
0 |
0.01× D (3) |
0 |
0.1× D (3) |
0 | 0 |
0.01× D (3) |
0 | |||
低圧弁座 漏れ試験 (4) |
試験流体(6) | 空気 | 空気 | 空気 | 空気 | 空気 | 空気 | 空気 | 空気 | 空気 | ||
空気圧による 許容漏れ量 (mm3/s) (2) |
0.3 × D (3) |
0 |
0.3× D (3) |
0 |
30× D (3) |
0 | 0 |
0.3× D (3) |
0 | |||
弁箱(5) | 試験流体(6) | 水又は空気 | 水又は空気 | 水又は空気 | 水又は空気 | 水又は空気 | ||||||
逆座(5) | 試験流体(6) | 水又は空気 | 水又は空気 | - | ー | ー |
注(1) 弁体又は弁箱隔壁部及び弁座取付け部から漏れ、にじみがあってはならない。
(2) 漏れの許容量は大気圧における容積とする。
(3) Dはバルブの呼び径でA呼びを使用する。
(4) 高圧弁座漏れ試験又は低圧弁座漏れ試験の適用はJPI-7S-39の規定による。
(5) 弁箱及び逆座の試験においては、漏れ、にじみがあってはらなない。
(6) 試験流体の水とは、灯油その他水より粘性の低い非腐食性の液体を含み、空気とは
窒素ガスその他の不活性ガスを含む。
逆座漏れ検査(バックシート)
1.試験方法
逆座(バックシート)を有するバルブは、バルブを全開し、ふたはめ輪と弁棒に設けた逆座を
着座させ試験する。パッキン押さえを自由状態に緩め、弁箱内部に空気が残らぬように試験流
体を満たした後、最高許容圧力の1.1倍の試験圧力を加えて、規定の保持時間以上持続した後
(表1.1,1.2)パッキン室からの漏れを試験する。空気圧試験の場合は、0.6MPaの圧力を加えて
行う。逆座を設けるバルブは、一般に工業バルブの仕切弁と玉形弁である。
2.判定基準
受け渡し当事者間の協議による。一般には、漏れがあってはならない。
試験流体の制限(JPI-7S-39 その他)
弁箱、ふた及び接液部品にオーステナイト系ステンレス鋼を用いているバルブの試験流体の塩素含有量は、100ppm以下とする。