【要部材料(Trim Matereals)】
要部の定義
仕切弁 | 玉形弁 | 逆止め弁 | ボール弁 | バタフライ弁 |
弁箱側の弁座面 弁体側の弁座面 ふたはめ輪 弁棒 |
弁箱側の弁座面 弁体側の弁座面 ふたはめ輪 弁棒 弁押さえ |
弁箱側の弁座面 弁体側の弁座面 ヒンジピン |
ボール シートリング 弁棒 流体に接する 取付部品 |
シートリング 弁体シート面 弁箱シート面 弁棒 接合部品 流体に接する 取付部品 ブッシュ |
要部材料の組み合わせ
部品 | 要部番号 | 材料の種類 | ブリネル硬度 | |
弁棒(1) ヒンジピン 弁押さえ ふたはめ輪
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1及び4~8A | 13Cr | 13Cr 鋼 |
200 HB min. 275 HB max. |
2 | 18Cr-8Ni | 304 鋼 | (3) | |
3 | 25Cr-20Ni | 310 鋼 | (3) | |
9又は11 | Ni-Cu | モネル | (3) | |
10又は12 | 16Crー12Ni-2Mo | 316 鋼 | (3) | |
13又は14 | Cr-Ni-Fe-Mo-Cu-Cb | 20 合金 | (3) | |
弁座面 (2) |
1 | 13Cr | 13Cr 鋼 | 250 HB min. |
2 | 18Cr-8Ni | 304 鋼 | (3) | |
3 | 25Cr-20Ni | 310 鋼 | (3) | |
4 | 13Cr | 表面硬化13Cr 鋼 | 750 HB min. | |
5又は5A | HF | 硬化肉盛 | 350 HB min. | |
6
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13Cr Cu-Ni |
13Cr 鋼 Cu-Ni 合金 |
250 HB min. 175 HB min. |
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7 |
13Cr 13Cr |
13Cr 鋼 表面硬化13Cr 鋼 |
250 HB min. 750 HB min. |
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8又は8A |
13Cr HF |
13Cr鋼 硬化肉盛 |
250 HB min. 350 HB min. |
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9 | Ni-Cu | モネル | (3) | |
10 | 16Cr-12Ni-2Mo | 316鋼 | (3) | |
11又は11A |
Ni-Cu HF |
モネル 硬化肉盛 |
(3) 350 HB min. |
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12又は12A |
16Cr-12Ni-2Mo HF |
316 鋼 硬化肉盛 |
(3) 350 HB min. |
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13 | Cr-Ni-Fe-Mo-Cu-Cb | 20合金 | (3) | |
14又は14A |
Cr-Ni-Fe-Mo-Cu-Cb HF |
20合金 硬化肉盛 |
(3) 350 HB min. |
注(1) 弁棒は、鍛錬材(Wrought Material:鍛造又は圧延材)でなければならない。
(2) 要部番号1及び4から8Aの逆座面の硬度は、最小250HBでなければならない。
(3) 規定しない。
備考1.Cr=クロム、Ni=ニッケル、Co=コバルト、Mo=モリブデン、Cu=銅
2.HF=CoCr又はNiCr合金を使用した硬化肉盛、要部番号でAを付したものは、
NiCrを適用する。
3.13Crの快削鋼は使用してはならない。
4.要部番号1は、弁棒とふたはめ輪の接触面の間、弁体側の弁座面と弁箱側
の弁座面の間及び弁棒と弁押さえの接触面の間にHB50以上の硬度差をつけ
なければならない。
5.材料を二段に表示しているものは、一方が弁体側の弁座面、他方が弁箱側の
弁座面を示す。その組合せは、どちらでもよい。
JPI-7S-67(石油工業用バルブの基盤規格)による。
ステライト(Stellite)の特性と使用目的
1.ステライトの特性
ステライトは、Union Carbide社(米国)の開発した 55Co-28Cr-4W-3Fe 合金で広範囲の耐食性と耐摩耗性に優れた合金で、特記すべきは高温時において硬度がほとんど低下しないことである。
(一般に、ステライトNo.6又は同等品を使用する。)
温度℃ ブリネル硬度(HB)
300 375
400 360
500 355
Heinse Stellite No6 資料より
2.ステライトの用途
火力発電、化学装置などの高温高圧蒸気、高圧ガス、超低温の液化ガスなどに使用する弁箱付弁座及び弁体付弁座面、過酷な条件の場合はステム表面の表面硬化材料として、不可欠なトリム材料といえる。
3.ステライトトリムの範囲
一般的なステライトトリムの仕様範囲は次のとおりである。
① 220℃以上の蒸気又はガス
② 約350℃以上の高温液体
③ 高速流体、スラリー、スラッジなどエロジョンの大きな流体
④ 約-40℃以下の低温又は超低温の液化ガス(LPG,LNGなど)